熱対策(寒さ暑さ対策)において、輻射熱への対応が重要であり、必要不可欠であることはご理解頂けたことと思います。
ところで、これまでにほとんどの建物に熱対策として使用されてきた断熱材は、どのような熱移動に効果的なのでしょうか。
空気の熱伝導の低さを利用しているのが断熱材です。
断熱材は中に空気を閉じ込め(さらに熱伝導の低いガスを閉じ込めているものもあります)、それによって壁や天井などに空気の層を設けることで、対流や伝導による熱の移動を遅らせます。
熱の移動を防ぐのではなく、あくまでも遅らせるという効果です。つまり、断熱材はそう呼ばれてはいますが、熱伝播遅効型熱吸収材料なのです。
ですので、断熱性能の違いは対流と伝導による熱移動に要する時間の違いであり、高性能なほど熱の移動に時間がかかるということです。
断熱材と呼ばれている通称から勘違いされ易いですが、決して熱を断つことが出来る材料ではありません。
あくまでも、熱を吸収することで熱の伝わる時間を稼ぐ、遅らせるという材料なのです。
そして、下方向への熱移動において93%を占める輻射熱(放射熱)のなんと90%を吸収し、やがてその熱を放射します。
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