平屋の家は夏暑いといわれます。なぜなのでしょうか。
そして、どのような対処が望ましいのでしょうか。
庇(軒)を深く出すことや、窓の取り方(特に西側)など、設計の工夫である程度は対処出来ます。
また、開口部であれば、後からでもシェードのような日除けの設置やガラスの遮熱処置などでの対処も可能ですし、葭簀や簾、植栽などによる対処もひとつの方法です。
ということは、開口部ならば後からでも比較的簡単に、手軽に対処することが出来るといってもいいのではないでしょうか。
屋根からくる熱にはどうでしょうか。遮熱塗料を塗布したり、小屋裏にもぐれる構造であれば後から遮熱材を施工することも可能です。
しかし、少々大掛かりになるといわざるを得ませんね。
であれば、最初からしっかりと対処するに越したことはないでしょう。それを、高い遮熱性(高い効果)で、かつコストもなるべく少なく実現出来ればいいですよね。
2階建てであれば2階のほうが暑くなるといことを、否定する人は少ないでしょうし、多くの方がそのような経験をお持ちでしょう。
なぜ、そうなるのでしょうか。全ての(多分そうだと思います)ハウスメーカーさんや工務店さんが壁面よりも屋根面の断熱を強化しているにも関わらずです。
それは、夏至の南中高度を観ると理解しやすいです。東京(北緯35度を仮定)を例に挙げると、夏至の日における太陽の南中高度は78°、冬至の日における太陽の南中高度は32°、実にその差は46°にも及びます。つまり、上からくる暑さの原因である赤外線量が圧倒的に増えることを意味します。
そして、その大量に降り注ぐ赤外線によって大量の輻射熱が屋根裏へと押し寄せます。
更に、断熱材はその大量の輻射熱の10%しか反射することが出来ず、90%を吸放熱する材料ですので、その熱が天井の下に位置する空間に影響を与えることとなるのです。
そして、このことこそが2階建てであれば2階のほうが暑くなる原因です。
もうお気づきのことと思いますが、2階建ての2階は屋根の直ぐ下の空間です。つまり、屋根の直下階が暑くなるのです。
ということは、平屋建ては全ての空間が屋根の直下階ですから、家全体が暑くなってしまうという具合です。
暑さが厳しい時、2階建てであれば1階に避暑することも出来るでしょう。しかし、平屋建ての場合、避暑的な空間がないのです。
更に、外気温より屋内温度が高い時、2階であれば窓を開けて寝ることも出来るでしょう。しかし、平屋建ての場合、防犯上窓を開けっぱなしで就寝することが出来ませんよね。
だからこそ、平屋建ての暑さ対策が重要であると考えています。
二世帯住宅でかつ上下階で住み分けをするプランを検討する場合にも、同じことが言えます。その場合、2階は平屋と同等の条件となるからです。
吹抜けの場合も、同様のことが言えるでしょう。また、勾配天井、ロフトや小屋裏収納など、本来は屋根裏となる空間を一体で使用する場合も、同様ですね。
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