熱移動の3要素の中で、輻射熱の占める割合がとても多いことが分かりました。
ところで、これまでに暑さ対策寒さ対策に用いられてきた断熱材は、どのような機能を有している材料なのでしょうか。
断熱材は「熱伝播遅効型熱吸収材料」です。つまり、熱を吸収することで、熱が伝わってくる時間を遅らせるという素材であり、決して熱を断つ材料ではありません。
断熱材は中に熱伝導が低い空気を閉じ込め(さらに熱伝導の低いガスを閉じ込めているものもあります)、それによって壁や天井などに空気の層を設けることで、熱の移動を遅らせます。
熱の移動を防ぐのではなく、あくまでも遅らせるという効果です。
ですので、断熱性能の違い(熱伝導率の違い)は熱移動に要する時間の違いであり、高性能なほど熱の移動(熱が伝わってくるのに)に時間がかかるということです。
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