断熱材と遮熱材の違い④
断熱材と輻射熱
空気の熱伝導の低さを利用しているのが断熱材です。
断熱材は中に空気を閉じ込め(さらに熱伝導の低いガスを閉じ込めているものもあります)、それによって壁や天井などに空気の層を設けることで、対流や伝導による熱の移動を遅らせます。
熱の移動を防ぐのではなく、あくまでも遅らせるという効果です。
ですので、断熱性能の違いは対流と伝導による熱移動に要する時間の違いであり、高性能なほど熱の移動に時間がかかるということです。
一方で、空気やガスは電磁波を通します。
このことは、断熱材が輻射熱(放射熱とも呼ばれます)の影響を大きく受けるということを意味します。
なぜなら、電磁波が物質に衝突することで物質の分子が振動し、熱が放出されるからです。
断熱材が輻射熱(放射熱)を反射出来るのは僅か1割程度であり、輻射熱の9割を吸収し、そして放熱します。
ちなみに、太陽から発せられる熱線が直接大気に影響する割合は非常に小さく、地表や建造物などに赤外線(赤外線も電磁波)が当たることによって起こる輻射熱移動が圧倒的に大きく、それによって放出された熱によって、大気が暖められます。
ですので、地表に近いほど気温が高くなり、地表が少なく建造物のない山頂(太陽に近い)のほうが気温が低くなるというわけです。
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